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藤本美貴はカツラが似合わない.という定評があるけれども,まもなく上演される忠臣蔵はそれはもう格別である.のってる.明らかにのってる.頭の上に髪とはまるで別の何か(置き物?)がのっかっているようにしか見えないのである.その理由を考えるに,藤本美貴の想像以上に広いおでこ.ここに最大にして唯一の原因があると思う.
かつてのソロコンで,藤本美貴のおでこと言えば,美貴オタのひそかな楽しみであった,おでこ見えたよ! 見逃したよ! 隠したよ! 封印かよ! なんてのは,ボクらの挨拶みたいなものであり,現場でしか味わえない興奮であり,お互いが美貴オタであることを認識する,言わば合い言葉のようなものだった.
その『おでこ』が今,公然とテレビなんていう安っぽいメディアで垂れ流されている事実に,僕は困惑と苛立ちを隠せない.こんなはずじゃなかった! こんな...バカな...
というより,困惑しているのはカツラが似合わないことであり,苛立っているのは忠臣蔵とは名ばかりの脚本の方だ.おでこは関係なかった.ミキティってたまご型の顔なんだね.かわいいなあ...とかそういうことでもない.
藤本美貴がソロからモーニング娘。になった.ということにこだわりは無い(無くなった?)のだけれど,今まで当たり前のように受け取っていた,月ごとの雑誌の連載,週2回のラジオ,毎日放送される深夜のテレビ,そして,コンスタントにリリースされるシングル,そういったもの全てが,モーニング娘。になった,ソロでは無くなった,ということだけで,あっさりと消え去ってしまう現実に,僕はただ呆然とするしかないのである.そして,別の何かを探してしまう.
要するに簡単に言ってしまうと,あまりにミキティ不足なので忠臣蔵に行こうかな...どうしよう,といった心境である.ああ,困った.普通なら絶対に行かないよ.絶対に.でも,行っちゃいそうだなあ.
まあ,そんなわけで.『ハロー!モーニング。』は毎週欠かさず見ている.今週は例のぶら下がり競争の日だ.思った以上に淡々と進行し,え?という感じで終わってしまったのだけど,目を引いたのは腋ツルツル!ではなくて脚や腕の長さ.感覚的に脚長いなあ,とか,腕も長いなあ,とか思っていたけど,(失礼ながら)比較するとやっぱり長い.スタイルがいい,というより綺麗なんだよねえ.うんうん(一人で納得).
それと.悪く言えば冷めているというか,良く言えばひっこみ思案というか,これは良く言っているのか分からないけど,とにかくそんな印象をもった.臭いもの3つのうち,一番臭いものを当てる,とかいうゲームで,臭い臭いと大騒ぎしている周囲をよそに,ノーリアクションの藤本美貴.遠くの方で眺めていて,近寄ろうとする気配も無い.一歩たりとも動かない.”テレビ的なもの”に対する周囲の期待を分かっているのか,分かっていないのか,嫌だからやらないのか,恥ずかしいからできないのか,僕には分からないし,もっと前に出ろ!とか,キャラを出せ!とか,そんなことを思ったのではなくて,ただ,とにかくよく話しかけたり,急に抱きついたり,キスを求めたりするあの娘のことを思い出して,藤本美貴には強引にでも手を引っ張ってくれる誰かが,いつも傍にいてくれる相手が,というか松浦亜弥が必要だ,なんて思った.
あ.この前の続きを書いてない.どうしよう.