だから僕は冷めてると言われる。

つまり、恋愛についてなんだけど、僕もそれなりに歳をとって、恋愛に対する考え方がだいぶ変わっていることに気づいた。おとといまでの僕はすごく幸せ、というか、そういう気分になっていて、それが昨日、いきなり奈落の底。とは言い過ぎだけど、崖から落ちて、高い木の枝に引っかかって、助かった、みたいな宙ぶらりんの気分になった。そして、今日の気分は真っ白だ。
それこそ昔は、顔がかわいい、とか、スタイルがいい、とか、ある意味、第三者の視線も感じつつ、一直線に行き着くところを目指していた。怒ったり、悩んだり、ひどく落ち込んだりもした。でも、何度かそういう思いを繰り返すうちに、そういうある種の痛みを避けるようになっていた。恋愛が全てではない、と自分に言い聞かせるようになった。それは、客観的に見れば、半分くらいは当たってる。
それこそ昔の僕が、昨日のような目にあったら、ものすごく怒ったり、ものすごく落ち込んだりもしただろうと思う。でも、今の僕は違う。そんなこともあるかもしれないと、頭の片隅にはあったし、駄目でもともと、と諦めてもいた。こうなることは、ある意味分かっていた。でも、それだけじゃない。
ずっと不安だった。でも、ひょっとしたら、これで安心できるかもしれない、と思った。でも、そうじゃなかった。この人じゃなかった。別の人だった。そういう風に考えるようになった。別にこの人でなくても良かったのだ。それって、間違っているだろうか。
ともかく、今日の僕は真っ白で、それはそれで晴れ晴れとした気分だ。