やっぱり泣いた。

世界の中心で、愛をさけぶ」を見た。CMがすごく良かったから、かなり期待していて、でも、期待していると、その分、がっかりすることも多いんだけど、この映画は期待通り、いや、それ以上かもしれない。後半の1時間は、泣きっぱなしだったからね。大の大人が! あーもう、1人で良かった。恥ずかしいわい。
(ちなみに、僕は浅草に住んでいるので、浅草の東宝で見たんだけど、1人で泣くには絶好のポイント。というか、初日なのに人いなすぎ)
物語で泣けるかどうかって、登場人物が好きになれるかどうかにかかっていると思う。そういう意味で、高校生の朔太郎とアキを演じた2人、森山未來長澤まさみの演技は、すごく良かった。ファーストインパクトは、原チャリに2人で乗るときのシーン。高校生らしい微笑ましいやり取りがあって、それを見て僕は、この2人がいっぺんに好きになってしまった。
森山未來は、大沢たかおに雰囲気が似ているから、朔太郎に選ばれた、ということなんだけど、もちろん、それだけじゃなくて、確かな演技力が光っていた。純朴でちょっとカッコ悪い、でも、やさしくて力強い、そんな朔太郎はすごく魅力的だ。走る姿がカッコいい。
長澤まさみは、かわいくて優等生で、でも、ちょっとイタズラ心のある、という、もうこれは、理想中の理想的なヒロイン。単にかわいいだけじゃない、自然な演技が良かった。病気の影響で丸坊主になるシーンは、カツラではなくて、実際に剃ったとのこと。その意気込みは凄いと思う。
この2人の関係が素敵だからこそ、引き裂かれる運命に涙せずにはいられない。大沢たかおは、雑誌のインタビューで「僕と柴咲さんの役は、この作品をより多くの人に見てもらうためにある」と言っているくらいで、映画でのプラスαは、サイドストーリーの域を超えない。けれど、朔太郎の未来を示したことで、作品の深みは増したと思う。大沢たかおの演技は、言うまでも無く素晴らしい。
というわけで、久しぶりに人に勧められる映画を見た、という感じだ。僕も機会があれば、もう一度見たい。