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3月2日のZepp東京は,ツアーの前半戦ラストの公演で,悲壮感よりも幸福感が勝っていた時期.ファンの間で語り草になっている札幌のライブを見てみたい,という気持ちがないわけじゃないけれど,やっぱりライブは楽しみたいから,楽しかったライブが収録されて良かった,と思う.アルバム発売直後ということで,それまで乗り切れなかったアルバム収録曲の方も,反応がまるで違っていた.「満月」で「かあさん!」とか「先生!」とか初めてやったんだけれど,すごく楽しかった.
観ているうちに自然と身体が動いて,掛け声を出したくなる.それが楽しいってことの証明だと思う.観ているだけじゃ物足りなくて,参加したくなる.ライブに行きたい理由はそこにある.一緒に楽しみたい.勝手に騒いでいるわけじゃなくて,逆に要求されているような気分.何だかあべこべだ.彼女は輪の中心ではなくて,同じ輪の中にいる.そういう距離感が彼女の魅力であり,このライブの魅力だ,と思う.