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江戸っ娘。忠臣蔵」のミニライブ。ソロライブとは見方が全然変わってしまう.曲に合わせて,飛んだり,跳ねたり,踊ったり,なんてする気がしない.というより,その余裕が無い.人数がとにかく多くて,うっかりすると見失ってしまうから,注意深くその動きを追いかけないといけない.時には曲さえも耳に入らなくなる.そのうち,慣れるのかなあ.全体の動きが分かっていれば,もう少しライブ自体を楽しめるのかもしれない.
まあ,そんなわけで.僕はもうひたすら藤本美貴を追いかけていたわけですが.この人のダンスの評判があまり良くなくて,知る限り,積極的に評価したところはひとつも無かった.中にはかなり辛辣な言葉を浴びせていたところもあって,不安と憂鬱と緊張を抱えたまま明治座に向かったわけですが.僕から見た正直な感想を書くと,そこまでの違和感は感じられなかった.むしろ,よく踊れていたと思う.必死でも,弁護でも,何でもなく.
僕は,彼女が一人置いてけぼりをくっているような姿を想像したんだけど,決してそんなことは無くて,モーニング娘。のボーダーラインはちゃんとクリアしていたと思う.ただ,他より一歩抜きん出た存在感を発揮していたかというと,そうではないという.ただ,それだけのこと.ソロライブのイメージが残っていた僕からすると,こんなに激しく踊れるのか! と驚きさえした.誰にも負けない! という気迫が感じられた.これは今までに無かったことだ.
何より,ライブを楽しんでいるのが伝わってきて良かった.笑顔が見られた.安倍なつみや,飯田圭織や,吉澤ひとみや,加護亜依らと,ダンス中に何か言葉を交わしたり,アイコンタクトしたり,激しくダンスを競い合ったり.そういう中で生まれていた笑顔.それを見られただけで,こう目に熱いものが...(最近,涙腺弱いのよ).
幕が下りるその最後まで,顔を出して客席に手を振っていた.そこには笑顔があった.確実に前進している.そう思った.